卓球選手である伊藤美誠選手は、パリ五輪の選考レースで敗れ、また1月に行われた全日本選手権ではベスト16位という成績で今後の活動について注目を集めております。
そんな伊藤選手の現在・今後についてまとめてみました。
また、伊藤選手の今後の目標やコーチについても調べてみました。
「オリンピック切符を逃す」
伊藤選手が狂い始めたのはパリ五輪からのようでした。
パリ五輪では、「シングルス金を含める3冠」を掲げており、結果は日本卓球界初の金、団体は銀、シングルスは日本女子卓球初の銅メダルであった。
特にシングル銅メダルの結果に対して、伊藤選手は「悔しさが99%、うれしさが1%」と語るぐらい厳しい姿勢で臨んでいた。
インタビューでは以下のようなコメントを残している。
「ミックス(混合)の金は信じられないぐらいうれしかったけど、シングルス優勝はこの先、成し遂げる人がいるか分からない。成し遂げたかった気持ちが本当に大きかった。メダルを取ることは当たり前という感覚。だからこそ、満足したくなかったし、うれしい気持ちが全然なかった」
https://hochi.news/articles/20240326-OHT1T51247.html?page=1
パリ五輪前の練習では、限界までされていたようです。
「自分の中では東京五輪でしか、金メダルの可能性はなかった。これだけ(練習を)やり込んで取れないとなると、正直『次も厳しいかな』『そこまでやるのはもうきついな』って思ってしまった。メダルを取ったのに脱落した気分になっていた。今思うと、もっと喜んで素直に受け止めて再発進すれば良かったなって。金メダルを取れなかったことによって、自分を追い込んでしまった」
https://hochi.news/articles/20240326-OHT1T51247.html?page=1
自分を追い込みすぎて、シングルで金メダルを取れなかったことが再出発を苦しめる要因になってしまったのですね。
東京五輪後、21年11月の世界選手権個人戦でも練習に打ち込めず、金メダリストという肩書が周囲に弱音も吐けず、相談もできない状況となってしまい不調に陥ったようです。
「金メダリストが弱音を吐けないという思いがあった。他の選手が『金メダルを取ったのは美誠ちゃんだけ。その気持ちは誰も分からないし、分かろうとしても分かることはない』と言ってくれたことがあって、今思えば確かにそうだなって。自分から伝えないと、伝わらない。弱音でも強気でも何でもいい。持っていた気持ちを打ち明けちゃったら良かったなって思います。でも選考の時はつらかったし、苦しかったけど、自分から助けてほしいと言えなかった」
https://hochi.news/articles/20240326-OHT1T51247.html?page=1
そんな苦悩の中、気が付けばパリ五輪の選考レースが始まってしまったようです。
試合に出るのも嫌になっていたほどの不調の時、「このまま辞めたくない」という気持ちが芽生え、「卓球が楽しかった時の原点に戻って自由にやりたい」と気持ちを改め、ベンチコーチを置かないことも視野に入れ、始動したとのこと。
パリ五輪では出場できなかったようですが、周りからは『笑顔が増えたね』と言ってもらえるようになったとのことで、伊藤選手らしさが取り戻せたようです。
そんな笑顔が増えた伊藤選手の現在の目標は何なのでしょうか?
目標は「世界ランク1位」へ変更
五輪での出場選手に漏れてしまった伊藤選手の次なる目標として、「世界ランク1位」を目標とされています。
24年2月6〜12日に行われたWTTコンテンダー(ヨルダン)では女子シングルで優勝を果たしました!
世界ランクは、6位から5位に浮上しました!
1月の全日本卓球選手権では優勝候補に挙げられながらもベスト16に終わり、涙を飲んだが、その後、コンディションの調整に心配をされていました。
しかし、そんな心配を払拭し、見事優勝を果たした。
国内では、伊藤選手の戦型は分析されてしまっているが、海外選手となれば本来の伊藤選手の力も発揮しやすいはずです。
現在目標を世界ランキング1位を掲げており、世界ランキング5位となった伊藤選手ですが、過去最高位が2位であるため、1位という目標は決して不可能ではない目標なのかもしれません。
この時、伊藤選手のベンチにはコーチ不在と話題になりました。
松﨑太佑コーチがベンチにいなかったとのことです。
WTTコンテンダーでは、伊藤本人の希望で松﨑コーチは敢えてベンチから外れたようです。
伊藤選手は、世界ランキング1位に目標を変更し、「小さい頃、野生の本能で戦っていた自分を取り戻したい」と思っているようです。
そのため、コーチからの的確な助言を得ながら戦うのではなく、自信の本来の強みである試合中のセンスやひらめきで戦うスタイルに戻したいのだと思われます。
これにより伊藤選手の独創的な戦い方で相手に予測されずに試合を運べることができるのだと思います。
ベンチから外れた松崎コーチは、会場内で動画撮影と分析に集中している模様で、試合の前後には伊藤選手に事前情報の提供などを行い、間接的なアドバイスをしているようです。
ベンチ入るような卓球コーチとしての肩書の役目ではなく、裏方として伊藤選手のサポートは続けられているようで、伊藤選手の新たな目標を一緒に応援しサポートしているようですね。
Tリーグ日本生命との契約満了
「自分らしさ」を取り戻すために再始動した伊藤選手ですが、24年4月14日に日本生命との契約満了を発表しております。
伊藤選手は2022年に日本生命に加入し、Tリーグに参戦しました。
きっかけは卓球日本女子監督だった村上恭和監督に誘わて加入したようです。
「パリ五輪の国内選考基準が決まり、Tリーグに参戦するかどうか考えていた時に村上総監督からお話を頂きました。とても悩みましたが、監督の熱い気持ちとTリーグの勝利ポイントが最後重要になると思い、参戦を決断しました」
https://sportsbull.jp/p/1785032/
Tリーグの通算では22試合に出場し、18勝を挙げ、勝率は「81.8%」でした。
今後は国際大会にどんどん出場し、目標に掲げている世界ランキング1位を目指すとのことです。
日本生命との契約満了とのことで他チームへの移籍などもありえるのかと思われましたが、その可能性は低い模様です。
退団は、自分のペースで練習に専念できるのは伊藤選手にとって、楽しい卓球が待っているのかもしれませんね。
伊藤選手の強みであるひらめきなどが復活し、勝負強さなどが戻ってくるかもしれませんね。
また、腰、肘、膝など負担のかかるスポーツですので、ご自身が納得された卓活動でのみ体を使って目標に向かっていくことは精神上、自分でコントロールでき安定するのかもしれません。
まだ、23歳という若い年齢ですので、スポーツ選手としてまだまだ活躍が期待できる選手ですよね。
伊藤選手の高みに向けて応援したいですね。
補足:コーチ不在・パリ五輪補欠を辞退
母の美乃りさんのベンチ入が話題
コーチ不在となった伊藤選手ですが、3月に行われたシンガポールスマッシュでは母・美乃りさんがベンチ入りを果たしていました。
母・美乃りさんのベンチは、「小学生ぶりにベンチに入ってもらいました」というコメントからも久しぶりだったのですね。
インタビューからの印象では、軽い感じでベンチに入っちゃえばーみたいな感じで入られた印象を持ちました。
ご家族のベンチ入りは安心して試合に望め、伊藤選手の本来の力が発揮しやすいという効果があるかもしれませんね。
見事試合にも勝ちましたので、効果があると証明されましたね。
今後も母・美乃りさんのベンチ姿が見られるかもしれませんね。
パリ五輪の補欠を辞退
伊藤選手は「パリ五輪の補欠」を辞退しました。
選考レースでは4位だったため、出場枠3枠には惜しくも漏れてしまいました。
辞退理由は、五輪という大会では補欠はベンチ入りができず、メンバーへの助言ができず、メンバーへの貢献の期待が薄いため、辞退したそうです。
24年2月の世界選手権団体戦では、ベンチから献身的な助言でチームをサポートして団体銀メダル獲得に貢献を果たしていました。
五輪でも補欠メンバーとして同行し同様のサポートを期待する声が多かったですが、補欠はベンチ入りできないというルールのため、助言することができないため辞退に至ったようです。
そのため、五輪出場選手は後ろを振り向いても助言を求めることができず、一人で戦うしかないため、伊藤選手が補欠になってもサポートができないとのことです。
伊藤選手は、五輪期間中は「今までできなかったことをやりたい」とラケットを持たない海外旅行をしたいというコメントを残しているようです。
もしかすると伊藤選手の中では卓球人として五輪に3度の出場もし、メダルも獲得したため、五輪へのこだわりが整理されているかもしれません。
現在の伊藤選手にとっては卓球人としての世界1位そのものの問いが、最大の目標となっているような気がします。
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