パリ五輪女子ボクシングに出場し、決勝に進めている選手が、昨年のIBA世界選手権で男性と判断され、失格となっているため話題となっています。
今回、66キロ級の「イマネ・ヘリフ」選手が女性か男性かを調査し、医学情報を元に整理してみました。
- イマネ・ヘリフは女子ボクシングの決勝に進出し、話題
- イマネ・ヘリフは先天性の性分化疾患だった
- イマネ・ヘリフ選手は「女性?」
- イマネ・ヘリフ選手の幼少期の写真
それでは、本記事をお楽しみください。
イマネ・ヘリフは女子ボクシングの決勝に進み、話題
パリ五輪のボクシング女子66キロ級で、性別問題で話題となっているアルジェリア代表のイマネ・ヘリフ選手が、8月6日の準決勝でタイ選手に勝ち、銀メダル以上が確定した。
イマネ・ヘリフ選手といえば、初戦の2回戦では、相手のイタリア代表の選手が、46秒で棄権。
そして、IBA主催の世界選手権では、「女性ではない」として失格となっていると、話題です。
その理由に「XY染色体を持っていた」として、遺伝的には男性であるという認識になっています。
しかし、染色体上はXYであっても、心は女性であったり、染色体上には男性であっても、身体的には女性である可能性もあります。
イマネ・ヘリフ選手は本当に男性なのでしょうか、それとも女性なのでしょう。
イマネ・ヘリフは先天性の性分化疾患?女性?
イマネ・ヘリフ選手が男性か女性か、調べてみると、「性分化疾患」というキーワードが出てきました。
詳しく見ていきましょう。
イマネ・ヘリフは先天性の性分化疾患?
イマネ・ヘリフ選手は「性分化疾患」です。
「性分化疾患」とは、生まれつきの病気で、一般的な性の育ちにならない病気のようです。
性分化疾患とは、ヒトの6つの性 (表)のうち、性染色体、性腺、内性器、外性器のいずれかが非定型的な先天的体質を指します。
そのため、染色体検査を行ったとしても、「XY(男性型)」染色体型と判断されても、実はその他の性の特徴は「女性」であったということも十分にありえる、ということです。
治療には内科的と外科的に分かれるようですが、内科的治療の場合は、「ホルモン注入」なども行うことがあるそうです。
具体的には、性分化疾患の治療は内科的治療と外科的治療に分けられます。内科的治療としては、性ホルモン補充などを行います。外科的治療としては、外性器や内性器の形成術を行います。性分化疾患の一部では、性腺の腫瘍発症のリスクが高いことが知られています。その場合は、予防的に性腺摘出を行うこともあります。
そのため、ホルモン注入をしているケースがあるため、ホルモン検査だけでは判断することができませんし、染色体検査だけでも判断することができないということになります。
以前、IBAでは染色体検査で失格となりましたが、身体的に「イマネ・ヘリフ選手は男性の特徴を持っておらず、女性の身体的能力の範囲」である可能性もあるということです。
イマネ・ヘリフ選手の疾患は「アンドロゲン不応症」という性分化疾患症のようです。
アンドロゲン不応症は、染色体が46, XYで精巣は存在するが、ミュラー管由来構造物(子宮)は存在しない46, XY DSDの一つである。遺伝子異常によるホルモンの作用異常が原因である。
乳房発育がある。「完全型」ではアンドロゲン不応のため、外性器は完全に女性型であり、体型、性格も女性的である。「不完全型」では矮小陰茎、陰核肥大、陰唇癒合などの男性化が認められる
「アンドロゲン不応症」は、精巣は持っているが、子宮はなく、その他は女性の特徴を持ち、性格は「女性」のようです。
イマネ・ヘリフ選手は女性?
非常に繊細な判断ではありますが、結論からいうと、基本的には一般的にみて、イマネ・ヘリフ選手は「女性」と言えるのではないでしょうか。
「アンドロゲン不応症」は、確かに精巣はあり、子宮は持っていませんが、その他の特徴は女性、性格も女性であるため、スポーツ選手として競技分別は「女性」のように感じます。
先天性疾患であるため、生まれつきのことで、本人が変えることのできない事実です。
イマネ・ヘリフ選手が女性であると認識し、応援して上げるのが良いのではないかと感じます。
もしかすると、「アンドロゲン不応症」が不完全な場合、「男性化が認められる」と医学的に言われているようですから、イマネ・ヘリフ選手の疾患の症状の完全度合いによっては、男性の傾向が強い可能性もあるかもしれませんね。
過去のイマネ・ヘリフ選手の写真
幼少期は「女の子」ですね。
やはり、性分化疾患ということで、大人になる分化過程で異常が起こり、すべて同じようなフェノタイプに分化しなかったということでしょうか。
写真の出典は以下のXに載っています。
宗教の観点からも「トランスジェンダー」にはなれないため、「女性である」と、ユセフ・ザグバさんが主張していますね。
この問題は、今後IBAとIOCとしてどのように対応をしていくのか、議論が予想されますね。
まとめ
今回はイマネ・ヘリフ選手のスポーツ競技として性別は何?という疑問に対して、医学的な情報を得ながら整理してみました。
イマネ・ヘリフ選手は、先天性の性分化疾患症であり、元来女性であり、現在も女性の性質も多く持つと考えられます。
そのため、イマネ・ヘリフ選手は五輪競技では「女性」として出場してもおかしくないのではないでしょうか。
決勝戦では、金メダルを獲得されるのか、注目ですね。
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